ちょうど先日、技能実習生が赤ちゃんを産み落として、そのまま遺棄したという事件がありました。
犯人は福岡県のベトナム人技能実習生で、実習先の会社建物内で産み、放置してしまったようです。
これだけ聞くと、「とんでもない!何てやつだ!」と思う方もいるかもしれませんが、実は技能実習生の闇が少なからず関わっています。
- 妊娠がバレると帰国や中絶を迫られるケースがある。
- 安くない金を労働者や家族が支払って、日本に来ているので帰りたくない。
- 技能実習や特定技能1号は妊娠や結婚を想定していない。
妊娠がバレると帰国や中絶を迫られるケースがある。
外国人技能実習機構や法務省がこんな注意喚起を出しています。
《妊娠等妊娠等を理由とした技能実習生に対する不利益取扱いについて》
要約すると、
「技能実習生が技能実習期間中に妊娠しても産休とか育休とかちゃんととらせなさい!帰国とか迫らないようにね!」という内容です。
安くない金を労働者や家族が支払って、日本に来ているので帰りたくない。
技能実習生の場合、日本人感覚で言うところの年収レベルの費用を払って来日するケースも少なくはありません。
特定技能の場合はその様なブローカーなどの中間搾取を防ごうとしている制度ではありますが、少なからず借金というか自分の持ち出し資金はあるかなと思います。
日本人からすると考えにくいですよね、「金を稼ぐために金を払う」という感覚。
そして、一族の財産を集めて応援されながら日本に来たのに、妊娠して帰国をするわけにはいかないという葛藤。
だから中絶や今回のようにひっそりと遺棄をすることを選んでしまったのだと思います。
余談ですが、よくベトナムが例に挙げられるケースが多いですが、フィリピンやインドネシアが必ずしもそういうわけではありません。
国によって勿論メリットは違いますので、国籍選びも偏らず公平に見て頂きたいなとは思います。
技能実習や特定技能1号は妊娠や結婚を想定していない。
では、今回の本題といいますか
【実際に妊娠してしまったらどうすれば良いのでしょうか?】
→ そうならないように、事前ガイダンスをしっかりとよく言い聞かせましょう!
・・・それだけ?と思うかもしれませんがそれに尽きます。
妊娠したらちゃんとサポートしてあげる必要が出ます。
しかし、在留期間は等しく減っていきます。
だからこそ、よく自分の立ち位置を言い聞かせて自覚させるしかありません。
受け入れ施設や登録支援機関、監理団体等、関わってくる会社等は複数あるかとは思いますが、あくまでも技能実習は「実習」です。いわば学生が子供作ったらどう思うかというところです。
また、特定技能1号は建前上は5年と制限付いてますよね。立ち位置は技能実習生と他の就労ビザの「真ん中」なので、いわば「半分学生」なんです。
高いお金を払って受け入れた企業さんの気持ちになれば、
「何をしに日本に来たの?」と思うのは仕方がないのです。
とは言っても、今回の犯人である実習生、とても辛かったと思います。
本当はそんな思いするために日本に来たわけでも無いですもんね。
少し制度に対してもどかしい気持ちもありますが、
小さな命と本人の笑顔、受け入れ施設の為に、周りの支援がとても大事になってくるのだと思います。
「男児を死産、そのまま遺棄した疑い 技能実習生を逮捕 19.4.18 (朝日新聞デジタル)」